FileMakerで請求・消込入金・ダイレクト入金
あけましておめでとうございます。
引越しやら、出向やらで、手をつけられずにいました。
すみませんでした。
暮れから、年明けにかけて作りこみました。
今回は請求と入金についてですが、入金処理には売上伝票単位で入金処理を行う「消し込み入金」と、普通に入金処理を行う「ダイレクト入金」の2通りがあります。
どちらかひとつという販売管理ソフトも多いのですが、どうせなら一緒にふたつやってしまいましょう!ということです。いいねぇ~
弁護士さん向けというより、通常の販売管理ソフト上の一部として考えて頂ければと思います。
前回同様、デザインは重視していませんので、クラシックなFM11で作っています。
残念ながら、時間もなかったので請求書発行までは作っていませんが、請求・入金確認画面までは作りました。後は、請求書発行用のテーブルを作り、データを渡して処理するだけなので簡単です。(売上日や入金日を今回の締日に絞って、過去に作った見積もりから売上にデータ移行する要領で飛ばせば良いだけです)
これが通常と違うのは、
請求・入金の確認と追跡をしたい、ということです。
通常、集計を使うと、確認するどころのスピードではなくなりますので、
集計を使わないという条件で作り上げました。(なので、リレーション図がクモの巣状態に・・)
リレーション図をみると非常に複雑に見えますが、ごくごく単純に作り上げています。
得意先に設定していた締日をふんだんに利用して、テーブルオカレンスを地獄なくらい作り、
変数も関数もスクリプトも特に使わず、リレーションの照合と足し算と引き算で作りました。
せいぜい、sum関数(笑)
また、なんでもかんでも照合によって自動連鎖させるのではなく、コンテキストなどのデータの流れ、自動連鎖と連鎖を止めるという考え方も必要です。何処で繋げて、何処で断ち切ってるのかを考えながら作るには、とても良い課題でした。
どれが、最初に作ったテーブルで、どれがテーブルオカレンスなのか印を付けていませんので混乱するかもしれませんが、これだけは作りこまないと分からないかもしれません。
請求、入金システムの考え方、作り方は、人によって違いますし、考え方も違います。
単純に売上伝票を日付で絞り込んで請求とする考え方、売上決定後に分割払いの要求や延滞利息などを考え、別に請求書としてインポート・エクスポートさせる考え方
印刷してから確認するのか、処理する前に確認・追跡できるようにするのか、数か月前にさかのぼった売上伝票はどう処理するのか、入金忘れの後処理、ダイレクトな入金処理、伝票単位での消し込み処理、POSレジとの連携で現金売上も頻繁に発生する中での売掛・請求処理、更新作業の考え方など、本当に様々です。
今回は、こうすべきだ、という概念を持たせずに、後々拡張しやすい仕様で作ろう!という考え方で作っています。
これは、消込入金の画面です。
伝票単位で入金処理を行う方法で、業種・業態によっては、ダイレクトな入金処理より、こちらを使用するケースもあります。まとめて請求、まとめて入金ではない場合、営業さんが現地で、この伝票分を現金で集金されたり、レジの売掛と連動された場合などは、伝票単位で消込入金を行います。この場合、売上日は11月締前で、11月の締後に訪問したとき、たまたま現金で一部の集金ができたというような、過不足がある場合、通常、残りは、まとめてダイレクト入金で処理をします。
どうしても、過不足分も消し込みで処理をする場合は、売掛の後ろに入金日と未入金分というフィールドを置いて処理をすると良いかもしれません。(入金明細までカスタマイズする必要が出てきます)
ポータルの上に
前回請求
前回入金
前回繰越
今回売上
今回入金
今回請求
とあります。
消し込み入金時と、ダイレクト入金、合算された今回請求分が閲覧できます。
リレーションによって、前々回から締日を分けてポータル表示させたもの
確認、追跡される場合、更新作業に関係なく閲覧でき、過去の売上に対して、いつ入金されたか、今回の入金が予定と違う場合、得意先へ電話での問い合わせなど、非常に便利です。
集計を使っていないので、さくさく動きます。
ダイレクト入金画面
伝票単位を気にせず、得意先誰、入金日、ドカーン!と入金という処理です。
細かいところは、画面に注釈を入れています。
FMを使用しない人が嫌になっちゃうリレーション図
でも、僕的には、IBM標準のER図より、こっちのほうが分かりやすかったりします。
どうして、こんなクモの巣状態なのかと申しますと、前々回締日、前回締日、今回、次回というふうに、売上も消込入金もダイレクト入金も、それぞれを分けているからです。
それぞれ、Sum関数で合計を出し、引き算すれば、各締の合計が取れます。
(表示は、単純な範囲指定のポータルフィルタを使用)
このリレーションを使わず、集計やスクリプトを使用して分けると、処理スピードが遅くなり確認どころではなくなるため、このような一見複雑なものにしました。
いわゆる、現場では請求書を発行する前に、売上と入金状況を確認する作業が発生するのですが、印刷された帳票上ではなく、システム上で確認・追跡できるものを作りたかったわけです。
請求は、締単位なので、前回、今回という表示
売掛は、月単位なので、前月、今月という表示です。(売掛は作っていません)
要領は同じですが、売掛残高一覧表は、得意先の締日に関係せずに月締めですので
それこそ、集計とスクリプトを使用してズドンと印刷でよいのではないかと思うのであります。
今回のダウンロード
FileMakerPro11以上が必要です。
12、13は変換してご利用ください。